5.転ばぬ先の予備知識
株式投資をはじめる前に知っておきたいこと。
1.株式投資の対象:上場株式・公開株式
インターネットの証券会社を通して気軽に売買できる株式を
「上場株式」「公開株式」といいます。
「上場」とは、株式が流通する場所(証券取引所)に登録されていることを言います。「公開」とは、株式の取引所を通せば、誰でも株式を買えるということを言います。
(本サイトでは、上場株式に統一して使用します。)
オープンな場で、自由に取引される、という意味です。
反対に、株を発行する会社のお許しが無ければ売買できない株式を
「未上場株式」「未公開株式」といいます。
日本の会社の99%が未上場株式です。
よって「上場会社」というだけで、会社のエリートといってよいです。
株式を上場する証券取引所は、日本にいくつかあり、
「東京証券取引所」「大阪証券取引所」
など地名のついた証券取引所があります。
そのほかの取引所としては、
「マザーズ」「ジャスダック」「ヘラクレス」
といった、株式を取引する場所があります。
普段インターネットで株式を売ったり買ったりするときは、どこの証券取引所で取り扱われているか、意識することはありません。
しかし、投資する会社を決めるにあたって、どこの市場に上場している会社の株を買うのかは、結構重要だったりします。
活気のある市場は、取引高も多い、すなわち売る人も買う人も多いので、買いたいときにすぐ買える、売りたいときにすぐ売れるのです。
反対に、小さい取引所では、たとえ一株であっても、売れないときがあります。そんなときは、仕方なく売る値段を下げるわけですが、当然その分損するわけです。
地方の漁港より、築地市場のほうが高く買ってくれる人が多くいるわけです。
2.株式投資は成長する資産。
資産運用の方法は、株式投資以外にもいろいろとあります。
ざっくりと見てみましょう。
土地に投資…価値は減少しませんが、時間が経ったからといって必ずしも土地の価格が上がるわけでもありません。
しかしバブルのときのように、土地が投機対象になれば、価格の上昇はありえます。
建物に投資・・・建物が古くなるにつれて、年々価値は減少します。
コイン、切手、絵画など・・・古くなるほど価格が上がる場合はありますが、絵画そのものが変化・成長することはありません。
株式は、会社の価値を反映する紙切れです。
難しい言葉でいうと、「有価証券」といいます。
会社というものは、常に成長を志向しています。
売り上げと利益を増加させるDNAが組み込まれています。
江戸時代から5代続いた老舗のそば屋さんのように、成長を目指さなくてもいい企業もありますが、上場株は成長することを前提に証券取引所に上場します。
逆に、成長可能性が少なかったら、上場が認められないのが現状です。
私も投資会社にいますが、未公開会社が上場しようと審査を受けたときに、「成長可能性が見込まれない」という理由で上場できなかった企業をたくさん見てきています。
ということは、上場している会社は、プロの目から見ても成長可能性があると見られている、いったんはそういったセレクションを通ってきている、と見てよいと思います。
このように、会社の価値を表す株式という資産は、自己増殖するものなのです。
具体的に考えてみます。
2005年に売り上げが100億円の健康食品を製造販売するA社。2006年には売り上げが2倍の200億円になりました。
会社の規模を計る最も一般的な指標は売上高です。よって会社の規模は2倍になっています。
規模が2倍ということは、企業価値も2倍になっているということです。
株価も2倍になってもおかしくありません。
(株価の上下動には、そのほかの要因もありますが。)
ご主人の給料がサラリーマンとしての価値を表すのと同じですね。家計にとってはご主人の給料の額が売上高になりますから。
というわけで株式投資は激しく自己増殖する資産です。
(もちろん衰退する企業は激しく資産価値が減少していきます。)
3.銀行に資金を寝かせておくのはもったいない。
突然ですがクイズです。
【Q】現在、銀行に普通預金で預けたとして、金利で40,000円稼ぐには、いくら預金しなければならないでしょうか?
【A】500,000,000円(5億円)です。
【解説】
計算方法は以下のとおりです。
7月9日現在の三井住友銀行の普通預金金利 年利0.0001%
40,000円の利息を手取りで得るためには、税引き前で50,000円の利息を得る必要があります。
ほんの微々たる利息でも、20%の税金がかかるからです(消費税よりもはるかに高い。)。
(預金額Y)×(金利0.0001%)=(税引き前利息50,000円)
Y=500,000,000円となります。
「これじゃ銀行ばっかり儲かるじゃん」 と怒りが込み上げてくる方。その認識は正しいです。
0.0001%で集めたお金を企業に貸し付けて3%とか4%の金利を取っているわけですから。
そんなときは、怒りのエネルギーを転換。儲かっている銀行に投資しましょう。
最もアコギに儲け続ける銀行の株を買えばいいのです。 というわけで私は現在銀行株に投資しています。 銀行に資金を眠らせるより銀行に投資しましょう。
4.株式投資は美人コンテスト。
高名な経済学者の「ケインズ」。
ケインズは学者でありながら、大学の資金を株式投資で運用していました。
実務経験があったわけです。
かなり大学の資金を増やしたようです。
ケインズは株式投資を美人コンテストと表現しました。
少し難しい表現をしますと、株価は会社そのものが持つ絶対的価値ではなく、相対的価値で決まるということです。
美人コンテストは、審査員の大多数が美人であると評価する女性が優勝します。クレオパトラや楊貴妃がもし絶対的な美人であれば、彼女たちにどれだけ似ているかで評価が決まるでしょうが、そういう審査方法ではないのです。
株でも同じです。過半数の人々が、もっと上がりそうだ、と考えられる株が、買われて価格が上昇します。その会社がいい会社だから買うというものではありません。
分かりやすい例は、2000年当時のネットバブルの頃です。
売り上げも無い、赤字の会社が東証マザーズなどにバンバン上場し、高い株価をつけていました。
その後、化けの皮が剥がれて株価が下落したり、倒産したりした会社もありました。
株価が上昇した背景には、「インターネット銘柄なら何でも上がる」という暗黙の前提があったからです。そう、1980年代後半の不動産バブルと同じ論理ですね。誰かが買うから株価が上がる、株価が上がるから今のうち買う、というものです。
会社の実体としての価値からはかけ離れた株価で取引が繰り返されました。
これが相対的評価の実例です。
ぐうたら株式投資は、演技が下手で本当の自分を出し切れていない美人を選んで投資します。
その美人が真価を出し切ったところで売却します。